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買って読んだ本・古本について書いていきます。

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

フリオ・リャマサーレス(2017[1987])『黄色い雨』河出文庫(1)

沈黙、孤独、そして生死の狭間で爆発する語り 先が気になり少しでも早く読み進めたいと思う本と、読み終わってしまうのが惜しい本があると思います。 リャマサーレスの『黄色い雨』は、間違いなく後者にあたる作品です。惜しみつつページをめくり、一節一節…

紀田順一郎(1980)『黄金時代の読書法』蝸牛社

「若いうちに本は読むべき」 よく「若いうちに本は読むべき」と読書論に書いてあることがあります。 たしかに読書には時間がかかるし、人生は限られているのだから、必然的に世の中の全ての本が読めるわけではない。したがって、より早いうちから読み始めれ…

鶴見俊輔(2013)『文章心得帖』ちくま学芸文庫(2)

鶴見俊輔(2013)『文章心得帖』ちくま学芸文庫(1) 書くこと=選ぶこと 文章が自分の考えの支えとなる。 この指摘が示しているのは、自分がどのように考えていくべきか、引いては自分というもの自体を規定することと、書くという行為がダイレクトにつなが…