Folgezettel

買って読んだ本・古本について書いていきます。

書くこと

鶴見俊輔(2013)『文章心得帖』ちくま学芸文庫(2)

鶴見俊輔(2013)『文章心得帖』ちくま学芸文庫(1) 書くこと=選ぶこと 文章が自分の考えの支えとなる。 この指摘が示しているのは、自分がどのように考えていくべきか、引いては自分というもの自体を規定することと、書くという行為がダイレクトにつなが…

鶴見俊輔(2013)『文章心得帖』ちくま学芸文庫(1)

文章を書くための「心得」 鶴見俊輔の『文章心得帖』は、実際に開かれた文章教室で話されたことを元に、その際参加者の方々が書いたものを実例としながら、自らの文章論をわかりやすくていねいに解説している本です。 これらの実例に対する具体的なコメント…

紀田順一郎(1995)『日記の虚実』ちくま文庫(2)

紀田順一郎(1995)『日記の虚実』ちくま文庫(1) 「日記に書かれなかった事柄」への注目 書かれていることに対してのみならず、「書かれていない事柄」に対しても、紀田は鋭く分析の眼を向けています。 『麗子微笑』(1921)で有名な画家岸田劉生(1891~…

紀田順一郎(1995)『日記の虚実』ちくま文庫(1)

日記の〈真実〉 紀田は『日記の虚実』のなかで、次のように述べています。 日記は真実の記録であるはずだが、それが客観的な真実であるという保証は何もない。(p. 90) 「真実の記録であるはず」という言い方は、次のように解釈できるように思います。すな…

ハワード・S.ベッカー, パメラ・リチャーズ(1996)『論文の技法』(佐野敏行 訳)講談社学術文庫(2)

ハワード・S.ベッカー, パメラ・リチャーズ(1996)『論文の技法』(佐野敏行 訳)講談社学術文庫(1) 技法よりも精神的なコントロール 自分ではなく、他人はどう書いているのか。 どのように書き始め、書き継いで、書き直しているのか。 不安や悩みとい…

ハワード・S.ベッカー, パメラ・リチャーズ(1996)『論文の技法』(佐野敏行 訳)講談社学術文庫(1)

書く時に見るカード 書く前に必ず行うことのひとつに、「書く時に見るカード」をぼんやり眺めるというのがあります。何かを書く前に、一度これらの情報カードを繰って、書く心の準備をするという、おまじないのようなものです。 カードの内容は、論文執筆指…