Folgezettel

買って読んだ本・古本について書いていきます。

感想

フリオ・リャマサーレス(2017[1987])『黄色い雨』河出文庫(1)

沈黙、孤独、そして生死の狭間で爆発する語り 先が気になり少しでも早く読み進めたいと思う本と、読み終わってしまうのが惜しい本があると思います。 リャマサーレスの『黄色い雨』は、間違いなく後者にあたる作品です。惜しみつつページをめくり、一節一節…

今までにツイートした本の感想(備忘録を兼ねて)

自己紹介的な意味もありますが、自分用の備忘録も兼ねています。 以下、古 → 新

リチャード・パワーズ(2015)『オルフェオ』(木原善彦訳)新潮社(2)

リチャード・パワーズ(2015)『オルフェオ』(木原善彦訳)新潮社(1) ゲノムと音楽 そもそもなぜエルズは遺伝子工学に手を出したか。それは、遺伝子の構造やその運動性が、音楽のそれと同じものだからです。両者を結ぶキーワードは「感染」です。

リチャード・パワーズ(2015)『オルフェオ』(木原善彦訳)新潮社(1)

〈神〉の創造物への畏怖と科学 『マルテの手記』や『ドゥイノの悲歌』などの作者であるオーストリアの詩人・作家ライナー・マリア・リルケ(1875‐1926)が雑誌『インゼルシフ』の創刊号(1919年)に寄せた『原初のノイズ(Ur-Geräusch)』というエッセイがあ…